僕たちは墜落している

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僕たちは墜落している

僕たちは墜落している。

いつからかはわからない。もしかしたら生まれた時からそうなのかもしれない。

でも気づいたのは最近だ。色んなモノを抱えて上昇しているつもりだったのに、いつしか持ち物の重みに耐えかねて、自身が下降していることに気づく。

このままモノをたくさん持ったままだと墜落してしまうな。

心でそうは思っても、中々今まで手に入れたモノを手放そうとはしないでいる。

それでも結局腕からは大切なモノやかつて大切にしていたのモノがぼろぼろとこぼれ落ちて、その都度僕は酷く落ち込んだり、なんであんなガラクタを大切に持っていたのだろうと首を傾げたりする。

それから僕は次のものを欲しがって、墜落しながらもなんとか体をばたつかせて、それを手に取ろうと必死になってもがいている。それを手に入れるためなら今手にしているものなんてガラクタ同然だと思っている。浮上することなんてもうどうでも良いと思っている。

僕たちは墜落している。

僕たちは酷く疲れている。其れなのに眠れなくて、右頭の隅でチロチロと黒い炎がいつまでも脳を焼いている。黒い炎は消化しようと投げ入れたアルコールでさらに燃え広がる。

僕たちは墜落している。

抱えたものを手放したがっている。手放して解放されたがっている。でも手放すのを怖がっている。腕から溢れたモノが空に広がって塵になって箒星になるを見る。僕は泣いている。涙も箒星に取り込まれて凍って雹になる。

僕たちは墜落している。

もはやいつか来たる地面に恋焦がれている。僕は下を見る。雲と果てしない青の下に暗闇が覗いている。僕は背筋を振るわせる。暗闇の向こうに地面なんてないかもしれないとふと気づく。右頭の隅の炎が延焼する。

僕たちは墜落している。

隣のやつを見る。墜落しているのにそれに気づいていないようにタバコをふかしている。煙がそいつを取り巻いている。どんどん加速して落ちていって、すぐにそいつは見えなくなる。そいつが本当にいたかどうかすらあやふやに僕はなっている。10分後にはそいつのことなんて忘れている。

僕たちは墜落している。見てみないふりをしている。聞こえないふりをしている。言いたいのに言わないでいる。死ぬのに死なないふりをしている。生きているのに死体のように暮らしてる。愛せないのに愛しているように振る舞っている。いらないものを欲しがっている。嫌いなのに好きなふりをしている。自分に嘘をついている。嘘を本当だと思い込んでいる。見たことnのない映画の話をしている、聞いたことのないロックバンドを批判している。硬い布団の上で寝たふりをしている。疲れている。眠れないでいる。太陽が遠くなる。

僕たちは墜落している。

墜落しながら生きている。